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『東京大学社会教育学研究室公開講座』受講第4回目

2023.2.20 19:00~21:00
 1階サロンスペースにて東京大学社会教育学研究室公開講座「社会教育の再設計」第4回目をサテライト型聴講モデルとしてのぼりんで受講しました。

 今回は「孤立は自立ではない」というテーマで対談が始まりました。

 現代の日本社会では自立せよというメッセージがよく発されており、 自分の責任という理論がとても強いという問題提起に始まりました。自分がいい境遇にあるのは自分が努力したからと言ってしまう人がいて、 貧乏な人が自分の責任で貧乏になったのかのように決めつけてしまうというお話しでした。

 また昔は困っている人がいたら助けるのが当たり前、そして助けてもらうことも大切という教育もなされていましたが、最近では逆に誰にも迷惑かけないで生きていきなさいというように変わっていったということも取り上げ、自立というのが誰にも頼らないで自分で何でもできる人というようになっていってしまったとのことでした。

 そして、今日本では勉強は何のためにするのか?と聞くと8割の人が「自分のため」と言う話しにもなり、 そこで吉田さんが祖母に言われていたことが取り上げられました。

「勉強は世のため人のためにする。人のためになったら周りから大切にされる。大切にされたら幸せになれる。」 

 ところが戦時中それが「国家に役立つ人間になるため」にすり替わっていってしまったのではないか、 そして戦後その反動から「自分のため」に代わっていってしまったのではという議論に展開しました。日本は特に「自分のため」にと言い過ぎたのではとの見解で、 そこで社会教育は真反対にあるのだから、ただ 家庭を維持して地域貢献とか関係なしに子どもを育て労働力を作るというサイクルを繰り返してしまえば どんどん社会教育が衰退していく というお話しでした。

 そして最後に、「自ずから」というのは「自ら」と違い自然とそうなるということ、 役割を担っている、答えようとするということであるという話しに展開しました。

自ずから=周りの同じように思っている人たちとつながっている 

自ら=自分でやる 

 貧困の子供たちは本人の責任ではなく、状況を整えてもらえる社会を作らなければならないということを社会が忘れてしまっている 。「自然にそうなる」という環境を作ることが今社会教育に問われていることだとまとめられました。 

 こぼされた人たちに救いの手を差し伸べるのが社会教育、 何かしてあげますよという関係性ではなく一緒に生きますよという関係性が大切だということです。

次回は最終回!2/27(月)19:00~21:00 第5回目「社会教育とコミュニティデザイン」というテーマです。

 

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